今からちょうど2年前になりますが、宣教ニュース2023年5、6月号の特集ページに「宣教師になるまでの過程」という記事を書かせていただき、何人かの方々から「いろいろと準備があるんですね」「勉強になりました」と反応をいただきました。
さて、今回はそのようにしてOMFに入った後、宣教師たちはどのような歩みをするのか、その知られざる一面をご紹介したいと思います。
■オリエンテーション・コース(新人研修・OC)
母国でのさまざまな審査と準備期間を経て、新人宣教師たちはシンガポールにあるOMF国際センターで3週間の新人研修・OCに参加します。通常このOC参加をもって正式にOMFに入会したことになります。OCには東アジア宣教に遣わされる新人宣教師たち(通常20人前後)とその子どもたちが集まります。
OCではOMFについて、異文化の中での心身の健康管理について、新しい言葉を学ぶことについてなど、さまざまなことを学びます。それらの学びと訓練もOCの大切な要素ですが、OCの醍醐味はなんといっても人との出会いです。OMFの総裁や国際主事たちなど、普段あまり顔を合わせる機会のないトップリーダーたちと親しく交わり、また国際センターで裏方としてさまざまな働きを担っているスタッフたちとも会います。そして何より世界中から集まったOMF入会同期の宣教師たちとの出会いです。彼らはOCの後、それぞれの任地に赴きますが、離れていてもどうしているか気になり、たまに国際会議などで会うととても嬉しい、そういう存在になります。ちなみに申し上げますと、私は今からちょうど33年前1992年6月のOCに参加しましたが、その時の同期生は15人。現在OMFに残っているのは4人だけになってしまいました。
OCの間、子どもたちは親を離れ独自のプログラムで時間を過ごします。この子どもプログラムのためには毎回チームが結成され、幼児から時に高校生くらいの子どもたちを教え、彼らの面倒をみます。OCの期間は子どもたちにとっても自分たちの母国を離れ新しい土地に行く備えの時、とても大切な移行期です。不安を覚える子どもたちも少なくありません。チームは子どもたちにみことばを教え、楽しい活動を行いながら彼らに寄り添い、彼らがなるべくスムーズに新しい土地での生活に入っていけるように助けます。
■新人宣教師のための訓練コース
OCの後、任地に遣わされた新人宣教師たちはすぐに宣教の働きに就くわけではありません。現地の言葉と文化を学ぶダニエル・トレーニングと呼ばれる訓練を受ける時期が始まります。任地によってこの時期をどのように過ごすかは多少異なりますが、通常1年から2年ほど現地にある語学学校に通って言葉を学びます。日本の場合は日本語と文化を学ぶOMFの学校が札幌にありますが、どこの任地にもOMFの運営する学校があるわけではありません。クリスチャンの運営する語学学校や語学学校自体がない所もあります。その場合、新しい言語を自分で習得しなければならず、そのための特別な言語習得法を用いたり、先輩宣教師や現地のクリスチャンなどの助けを借りたりして言語と文化の習得に努めます。
また、この時期は将来のことを見据えて、その地域や民族の中でどのような宣教の働きがなされてきたのか、どのような働きが必要とされているのかを学ぶときでもあります。現在働きが進められている所やこれから新しい働きが始められる可能性のある所などを現地のリーダーの指導のもと訪問し、祈りのうちに検討します。

一時帰国前の訓練会にて
■働きが始まった宣教師のための訓練コース
このようにして数年間の正式に言語を学ぶ時が終わっても、宣教師は言葉と文化を忍耐と謙遜をもって学び続けることが大切です。
OMFにはいわゆる働きの始まった宣教師たちのために、必要に応じて多くの訓練コースがあります。あるものはオンラインで、あるものは対面で行われます。訓練コースは必ずしも1期目の新人宣教師だけが受けるのではなく、OMFに入って2期目、3期目の人が受けるものもあります。例えば、教会開拓に関する訓練会、説教奉仕のための訓練会、コーチングやメンタリングの訓練会、自分の歩みを振り返る訓練会やチーム・ビルディング、チームとしてビジョン・ミッションをどのように構築するかの訓練会など、さまざまな訓練会があります。そして、任地での一期(通常2年から4年)の働きが終わりに近づくと、一時帰国中の教会訪問・宣教報告の準備をする訓練会に参加します。
■リーダーのための訓練コース
働きに入ってある程度経つと、チームのリーダー、地域のリーダー、任地全体のリーダー、国際レベルでのリーダーなど、自分の働きだけでなく他の宣教師たちのお世話をする役割を担う人たちも出てきます。そのような人たちのためには、リーダーとして奉仕するためのスキルを身につける訓練会やメンターとの時間、またリーダーたちが定期的に集まる会議、祈り会や交流会などがあります。リーダーはとかく孤独になりがちですが、このように互いに支え合う場があることは大きな恵みです。
このようにして、OMF宣教師たちは東アジア・東南アジアの人々にイエス・キリストのよき知らせの豊かさをあますところなく分かち合うために、さまざまなスキルを身につけ自らを訓練しています。しかし、最も大切にしているのは、宣教師たち自らがみことばに養われキリストとの交わりのうちに、キリストの似姿に成長していくことです。どうかそのためにお祈りください。

【お祈りください】
■新人宣教師たちが忍耐と謙遜をもって任地の言葉と文化を学ぶことができますように。
■宣教師たちがそれぞれの働きや役割に必要な訓練を受け、働きのために知識やスキルを身につけることができますように。
■何よりも、キリストに根差し、みことばの養いと、聖霊の助けによってキリストの似姿に変えられていきますように。



