■イスラム教とラマダン

2025年のラマダン(イスラム教の断食月)は、2月28日(金)に始まり、3月29日(土)まで続きます。そして、イスラム教徒にとって、ラマダンは1年で最も重要な月の一つです。その理由として主に次の三つのことが挙げられます。
一.イスラム五行
ラマダンを行うことは、イスラム教徒であることの一部です。サウム(断食)は、成人のイスラム教徒が必ず行うべき5つのこと(信仰の告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)の一つで、人々はイスラム暦の9番目の月であるラマダンの期間中、毎日夜明けから日没まで飲食を完全に断ちます。イスラム教の聖典クルアーン(コーラン)は、ラマダンの期間中にムハンマドに初めて啓示されたのだと、イスラム教徒は信じています。
二.コミュニティ
ラマダンはコミュニティ全体が団結して行います。これは個人の決断のもとに行う行為ではなく、集団の行いです。
ラマダンは、ウンマと呼ばれる世界的なイスラム教徒のコミュニティと、地域社会の両方において、イスラム教徒が強く感じているコミュニティの意識を改めて強めます。さらに、人々は断食明けの食事を毎日皆で一緒にとります。
三.報いと理解
イスラム教徒の人々と話すなら、ラマダンを守ることのさまざまな動機や、ラマダンを行うことで得られる数々の恩恵について教えてくれることでしょう。その一つに、自制心の向上があります。イスラム教の教えに関するある本には、「断食の目的は、イスラム教徒が強い欲望をコントロールし、善行と善意の人になることである」(*)と書かれています。 その他の恩恵としては、経済的に貧しく、飢えている人々の生活に対する理解が深まることが挙げられます。この理解は、イスラム教徒のコミュニティがそうした人々をより良く支援するのに役立つのです。
ラマダンはまた、アッラーの祝福を求める時期でもあります。ラマダンの期間中、人々は日中の礼拝やコーランの朗読会に、通常よりも頻繁に足を運ぶようになります。また、多くのイスラム教徒は、断食は霊的な報酬を何倍にも増やしてくれると信じています。
(*)Ghulam Sarwar, Islam: Beliefs and Teachings (London, 2014), P73.
■OMFとラマダン
このように、ラマダンはイスラム教徒にとって重要な時期であるため、東アジアの人々に焦点をあてて働くOMFにとっても重要な時期です。東アジアと東南アジアの国々には2億8700万人以上のイスラム教徒の人々が住んでいるからです。これは中東全体に住むイスラム教徒よりも多い人数です。
OMFはイスラム教徒にとって祝福をもたらす存在であり続けたいと願っているので、彼らがどんな人々なのか、何を信じているのか、そして彼らとより深い友情を築くにはどうすればよいのかを理解したいと思っています。皆さんもイスラム教徒の人々の祝福となるために、まず彼らのことを知り、彼らのために祈り始めませんか。
■日本にいるイスラム教徒
日本には約23万人のイスラム教徒がいるとも言われます(2020年調べ)。滞在理由は留学、研修、ビジネス、配偶者が日本人などさまざまで、その人数は年々増加しています。皆さんの周囲にもイスラム教徒の人たちがおられるかもしれません。このラマダンの期間、ぜひ、イスラム教徒の人々のため、お祈りください。
■ラマダン祈りのガイド

「ラマダン祈りのガイド2025」は、ラマダンの期間中、毎日イスラム教徒の人々のために祈ることができるように構成されたガイドです(2024年版を2025年用に再編集したもの。PDF版のみ)。毎日の祈りの課題とともに、ラマダンを始め、イスラム教や、イスラム教徒の人々についての基礎的な情報を得ることができます。ご希望の際は事務局までメールでご連絡ください。
■私たちにできること
私たちは、「自分も彼らの祝福になりたいけれど、文化も価値観も違う人たちと知り合い、交流するのはちょっと…」とためらいを感じるかもしれません。しかし、私たちの町で出会うイスラム教徒の人に、笑顔で「こんにちは」「元気ですか?」と、こちらから声をかけることが、彼らを祝福する第一歩になるのです。また、彼らと知り合うにつれ、次のようなこともできるかもしれません。
●話を聞く、理解する
好奇心をもって彼らの話に耳を傾けることで、彼らと彼らの信仰をより良く理解することができます。イスラム教徒の人の多くは、イスラム教について話すことに積極的です。よく聞くことで、よい質問をすることもできます。お互いの間の違いにばかり注目すると、真の理解はなかなか得られません。しかし、私たちが彼らのことを知ろうと努めるなら、彼らも私たちと同じような喜びや不安や葛藤を抱える人たちであることが分かってきます。また、彼らの信仰となぜそのように信じるのかを理解していくとき、それは彼らをさらに愛することへつながっていくことでしょう。
●交わる
一緒にお茶を飲みに行く、食事に招く、もし彼らが家に招いてくれるならば、最高の機会です!一緒に何かをすることは、お互いを祝福し合うよい方法です。
●愛する
私たちの地域に住むイスラム教徒の人々の多くは、イエスを信じる人からの愛や支援を受けたことがないかもしれません。言葉の学びの手助け、病院や公的機関の手続きに同伴するなど、行動を通して彼らを愛し、祝福する機会を積極的に見つけましょう。その中で、私たちは、日常生活において主が私たちにとってどのような存在であるか、また主について何を学んでいるかを、自然な形で示す機会が与えられることでしょう。
【お祈りください】
■ラマダン中、イスラム教徒のコミュニティに住むイエスに従う人々が、人々をふさわしい形で祝福できますように。
■母国を離れて暮らし、孤独を感じているイスラム教徒の人々のために。
■私たち自身がイスラム教徒のために祈り、愛と敬意をもって隣人であるイスラム教徒を祝福する者へと変えられていきますように。



