インタビュー:教職者のための台湾宣教視察旅行 日本イエス・キリスト教団 福岡教会 伝道師 中山 聖

去る10月23日~29日、OMF台湾の協力のもと、「教職者のための台湾宣教視察旅行」が開催されました。4名の方々が台湾南部の高雄市から、嘉義市、台北市へと北上しながら視察をしました。

日本イエス・キリスト教団 福岡教会 油山シャローム・チャペルの伝道師、中山聖先生に、お話を伺いました。

視察チーム(普喜師夫妻、中山師、片山スタッフ)

■ショップ店員教会

日曜日の夜、労働者階級のための礼拝をしているショップ店員教会を訪問しました。比較的人数は少なく、協力してくれている教会や団体の会堂を借りている様子でした。デパートなどで働く人々が仕事を終えてから来られる夜の10時に礼拝が始まります。賛美はオンライン動画サイトを使ったカラオケ形式でしたが、集まっている方たちが心から賛美していました。御言葉にも、コール&レスポンスのように反応があり、笑いがありました。言葉は全く分かりませんが、この説教もこの聴衆を本当に思いながら御言葉を黙想しながら作られたのだろうな、この目の前の労働者階級の人たち、羊たちを心から牧会しておられる実りがこれなのだろうなと思い、とても感動しました。

献金の時間がなかったことも印象的でした。日曜日も働かなければならない状況の労働者階級の人たちに対して「献金をしましょう」と呼びかけてしまうと、礼拝に来る妨げになってしまうのかなと思いました。皆さん、次の日も朝から仕事があるのか、礼拝が終わってすぐに帰られましたが、その時間を聖別して、集まって礼拝をする、そこに神を求めて礼拝する神の民がいると感じました。

ショップ店員教会(上)と伝統的な礼拝をする中山教会(下)

■珍珠家園(パールガーデン)

売春に関わる女性たちへの働きを視察しました。外から見ると、その世界は良くないから連れ出さなければならないと安直に考えてしまいます。しかし、そこは彼女たちの居場所になっており、そこから引き抜くことは必ずしも救いにはならないという考えから、その地域の中にパールガーデンという場所が作られています。パールガーデンは「真珠のようにあなたは尊い」というメッセージが込められています。そこでは礼拝をしたり、聖書の学びをしたり、個別面談をしたりします。また、彼女たちがお金を稼ぐ方法としてミシン縫製ができる場所もあります。

さらには、売春する女性だけではなく、買春する男性たちにも福音が必要だと考えられていました。働きの対象が絞られないと何かボヤーっとなってしまいますが、対象が絞られた上で、他の人に向かっても宣教をする。特定の部分に向けた働きですが、その地域の全ての人に対しては開いていくという視点はすごく大事だと感じました。

■ホームレス伝道

駅名になるほど有名で大きなお寺がある地域で、ホームレスの人々への伝道をしました。その際、私たちに与えられていたのは、聖書の物語が書かれたトラクトと「耶穌愛你」(=イエス様はあなたを愛しています)の一言だけでした。この働きを通して福音の本質的なものを感じました。私たちには「耶穌愛你」の一言しか分かりません。しかし言葉ができれば福音が届けられるわけでもありません。言葉ができるから、自分の言葉を語りたい、どうにかこの人を論破しようと思うことが多々あります。あるいはその人の言葉を恐れてしまったり、変に気を遣いすぎたりして、自分自身が御言葉に制限やフィルターをかけてしまうこともあることに気づきました。

トラクトを手渡そうとすると拒絶される人もいましたが、ニコッと受け取ってくれる人のほうが多かったように思います。しかし、この働きをしている方は、多くの人はイエスの名前を聞くと怒りを表すと言いました。「イエスがいるなら、なぜこうなるんだ」「お金をくれるなら、そのイエスを信じてやる」というように。「あぁ、イエスを主と告白するのはまさに御霊による働きなんだなぁ」と思いました。そして、この地域での霊的な戦いの深さを感じました。目に見えやすいご利益のほうが信じやすいというのはホームレスであるかないかに関係なく、全ての人に言えることでしょう。しかしこの地域ではよりそれが顕著に現れやすいのだと思います。無力感とともに、聖霊の働きの必要性を非常に感じる場所でした。

またこの働きを担うセンターでは、日曜日はスモールグループ礼拝があります。メンバーは6人ほどで、そのうち2人は元ホームレスだった方です。賛美をし、信仰問答を使って信仰を告白し、メッセージがあり、この世界のために執りなしの祈りをするという流れです。月の2週目には日本のために祈っているようです。ホームレス伝道も教会の働きもあって大変だろうと思いますが、元ホームレスだった方も、今は礼拝者として、世界のために執りなして祈っておられるということに感動しました。

台湾と日本それぞれの教会の現状を分かち合う

■全体を振り返って

台湾の教会で見たのは宣教の移行の全体像でした。パールガーデンの働きの主体は宣教師でした。ショップ店員教会は、宣教師はいましたが、現地の教会や牧師が主体的に牧会をしていました。ホームレス伝道は現地のクリスチャンが宣教師から引き継いでいました。神様がこの地でOMFを通してどのように働こうとしているのか、その途上にある働きを見せていただいたように思います。

日本においても、すでに私たちの目の前にいる宣教師との宣教協力が日本の宣教を前進させる上で大切なことではないかと思います。各個人や各教会のできることがたとえ少なくても、宣教師や宣教団体との協力関係の中で、神の国を広げる可能性があると思います。異国の地でも神の家族である兄弟姉妹が共に宣教の働きをしてくれる、祈ってくれるというのは、宣教師にとって大きな励ましだと思います。また、地域教会にとっても宣教の働きが、自分たちの住んでいる地域で実際に起こっているんだという、喜びにもなると思います。

【お祈りください】
■台湾教会の宣教協力が教会間にさらに広がり、御霊によって全教会・全キリスト者が一致できるように。

■台湾の霊的な覆いが取り除かれるように。

■霊的な戦いの最前線に立つ宣教師や現地の牧会者、信徒リーダー、その家族に守りと祝福、上からの知恵と力が今日も豊かにあるように。

■福音が聞く人の心に届き、根差し、本気でキリストの弟子としての人生を歩みだす人が起こされるように。

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