座談会:リーダーとして仕えるー 菅家庄一郎(北東アジア地区国際主事)、今村裕三(カンボジアフィールド代表)、佐味湖幸(日本ホームサイドセンター総主事)ー

今回は日本から派遣され、国際主事、フィールド代表、そしてホームサイドセンター総主事として仕えている3人に、OMFの組織とリーダーとしての働きについて話をしてもらいました。

Zoom座談会 上段左:菅家庄一郎、上段右:佐味湖幸、下段:今村裕三

Zoom座談会 上段左:菅家庄一郎、上段右:佐味湖幸、下段:今村裕三

OMFは国際的な団体
佐味:OMFは国際的な宣教団体で、現在40以上の国々から約2千人(スタッフやボランティア含む)の人が東アジア人の約100の民族・部族など、独自の文化と言語をもつ人々の集まりの中で宣教の働きを進めています。
この団体の中で、菅家さんは「北東アジア地区国際主事」、今村さんは「カンボジアフィールド代表」、私は「日本ホームサイドセンター総主事」というリーダーの役職を担っていますが、これらはOMF全体の組織の中でどういう関係にあるのでしょうか。
菅家:現在OMFインターナショナルの総裁はパトリック・フン師です。総裁、副総裁、サービス部門の責任者、そして各地区担当の国際主事が国際主事チームを形成し、OMF全体の様々な事柄について話し合い、決定します。地区としては、中国とその周辺、東アジア(北、中央、南)、南北アメリカ、そしてヨーロッパ・アフリカという6つの地区があり、それぞれに国際主事がいます。また、国際主事だけでなく、国際コーディネーターとして奉仕しているリーダーたちとも連携を密にして働きを進めています。
私の担当は北東アジア地区です。この地区には日本、台湾、韓国とあと二つの地域が含まれるのですが、日本と台湾にはフィールドとホームサイドの両方があるので、全部で7人の総主事(または代表)がいます。彼らとのやりとりが私の仕事の一つです。フィールドというのは宣教地のことで、ホームサイドとはワーカーの派遣国のことを指します。

フィールド、ホームサイドの働きについて
今村:カンボジアフィールドは約20カ国から大人約60名のワーカーが働いています。最近ではアフリカや南米からもワーカーたちが加わり多様な文化のフィールドです。働きは教会開拓から教育・医療を通して福音を伝えていく働きなど多様です。
私のカンボジアフィールド代表としての働きは、大きく3つの分野に分かれます。まず一つ目はカンボジアフィールドで働くワーカーたちがその使命を全うするために組織を整えることです。代表として主イエス・キリストの弟子の模範となり、ワーカーに仕えていくこと。若い世代のリーダーの発掘と訓練も心がけています。二つ目はOMF内での働きです。ワーカーを派遣しているホームサイドとの意思疎通やOMF全体の働きです。三つ目は他の宣教団体やカンボジア政府とのネットワークと調整役をすることです。
佐味:日本ホームサイドは、日本からフィールドへワーカーを送り出すこと、そして日本の教会に世界宣教の啓蒙・啓発をすることが大きな二つの働きです。そのために、他の宣教団体と協力することもありますし、OMF内での様々な協力やコミュニケーションがあります。日本ホームサイドは総主事の他に宣教啓発担当者、財務担当者、広報・渉外担当者の4人のチームで働いています。また、OMF日本委員会として10人の方々がホームサイドへのアドバイスや重要事項の承認をするなど理事会のような働きをしてくださっています。
最近は、これまで派遣国であった国でも、フィールドのように国内で異文化宣教の働きに取り組むところが出てきていますね。
菅家:現在OMFが力を入れている働きの一つに、ビヨンド・ボーダーズ(国境を越えて)という移民に対する働きがあります。例えば、最近の香港の政治的変化に伴い、香港からイギリスなど他国に移住する人々が増えています。イギリスのOMFホームサイドはそういう移民の人たちをイギリスの教会と協力して積極的に受け入れる運動を起こしています。また、カナダのような他民族国家では、東アジアからの移民によって形成された教会から「逆輸入宣教師」のような形で、カナダにいる同民族への伝道、さらには母国へ宣教師として派遣するというような動きがあります。
佐味:日本では近年増えているベトナム人への働きのために、働き人が起こされるように祈っています。
今村:カンボジアでは中国人が増えていますので彼らへの伝道や、海外で信仰を持ったカンボジア人帰国者への働きも考えています。
佐味:宣教はあらゆる所から、あらゆる人への時代ですね。

リーダーとして気をつけていること
菅家:私が担当している5つの国・地域はそれぞれ働きの内容が大きく異なります。宣教の自由がある国もあれば、事情があって宣教地にワーカーたちが入国できない状態が続いている国もあります。それぞれの国の状況をよく知って相応しいアドバイスをすること、また、独善的にならないために、より多くの人の意見を聞くことを教えられています。
今村:カンボジアフィールドは文化的に多様なので、コミュニケーションを分かりやすくすること、文化の違いを考慮すること、一人ひとりの話をよく聞くこと、噂を信じないこと、そしてイエス・キリストに留まることを心がけています。
佐味:私はチームメイトの賜物や良い点を引き出し、よいチームワークで働くこと、与えられているビジョン(幻)とミッション(使命)に照らし合わせて自分たちが何をすべきか、すべきでないかを見極めること、チームが掲げている6つの価値観(神中心の生活、忠実で誠実な仕事、明瞭なコミュニケーション、ビジョンに向かって共に進むこと、仕事と個人・家庭・社会生活のバランス、協力へのコミットメントと互いへのケア)を大切にすることを心がけています。

リーダーとしての喜び、感謝
菅家:北東アジアの各センターはとても活発に宣教の働きを進めています。7人の総主事の霊的、精神的、肉体的健康が守られ、主にあっていきいきと喜んで奉仕をしている姿を見ることが一番の喜びでしょうか。そのために何か貢献できるなら幸いです。
今村:それぞれのワーカーが神様や家族との関係を良好に保ち、深め、喜んで奉仕をし、チームとしていい形で働いているのを見ることが喜びです。
佐味:日本から派遣しているワーカーたちのために多くの日本の教会が祈ってくださっています。その方々と共に祈りの答えを見せていただくことは大きな喜びです。また、ワーカーたちが宣教地に遣わされ、彼らを通して日本の教会が主の宣教の働きに携わることができるのは感謝なことです。

■リーダーとしてのチャレンジ
菅家:まずは、言葉です。7人の総主事のうち、英語が母語である総主事は2人だけです。相手の英語力に合わせて話す必要があります。また、会議の際にはかなりの分量の書類を英語で読む必要がありますが、すべての内容を完全には把握できないことが多いです。次には、急激な生活の変化です。これまでの2年半はコロナで海外出張は全くありませんでしたが、2022年後半から海外出張が増えました。体力をつけなければならないと痛感しています。
今村:ミス・コミュニケーションでしょうか。チームワークがうまくいかない時、大きな困難を感じます。また、宣教の働きを支えるサポートワーカー(宣教師館のマネージャーや短期宣教の受け入れ担当者など)が常に不足していることもチャレンジです。
佐味:大きなフィールドやホームサイドなら、人事や財務、短期宣教派遣など、それぞれの働きに担当者を立てることができますが、日本ホームサイドはチームが小さいので、リーダーが様々な役職を兼任しなければなりません。それが大きなチャレンジです。
有益な話し合いをありがとうございました。

 

【祈りのリクエスト】
■菅家師:
・ 神様との親しい交わりの中、日々奉仕ができますように。
・ 国際主事や各国の総主事とのコミュニケーションを深めていくことができますように。
・ 相手の置かれている状況をよく理解して、相応しいアドバイスができますように。
・2023年には総裁と副総裁が交代します。相応しいリーダーが導かれますように。

■今村師:次のリーダーの発掘と育成のために。

■佐味師:短期、長期の新しいワーカーが次々と起こされるように。

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