朽ちることのない実 タイ ミェン族 有澤達朗・たまみ

今年も最後の月を迎えました。何度も自然災害に見舞われた日本ですが、そのような大変な中にあって、ここまでミェン族内宣教を祈りをもって支えてくださっている皆様に心から感謝いたします。

十月、ミェン族キリスト者婦人集会が行われました。この婦人集会は一九九五年にパヤオ聖書学校の一室でヴァ―ナ・アスプレイ宣教師が、ミェン語を学び始めたばかりの私と、当時パヤオ聖書学校で学んでいたミェン族女子学生、卒業生で近隣の教会で奉仕している婦人たちを呼び集めて始まりました。私は二○○○年まで相談役をしていましたが、二○○一年からは補佐、後はミェン族の役員達に任せました。集会は不定期、また各地域を回って行われました。毎年定期的にすべての村の教会へ呼び掛けての集会が行われ始めたのは二○○八年以降。初期はアメリカのミェン族やタイ人の説教者に助けてもらって行ないましたが、昨年からは自前で。つまりタイのミェン族婦人説教者のみで行いました。

民族衣装に身を包んだミェン族婦人たち

民族衣装に身を包んだミェン族婦人たち

しかもこれまで屋根と柱だけだった大集会場は、婦人集会に間に合うように壁と窓が作られ、強風や大雨を気にせず集会を行うことができるようになりました。第十回記念の神様からのプレゼントでした。

「生涯朽ちることのない実」という主題で、ミェン族婦人説教者四人が御言葉を語り、二泊三日の素晴らしい集会でした。隣国からも数人参加者がありました。総数は約百三十人。第十回記念ということで、ミェンの衣装を持っている人は全員着用して記念撮影。昔ながらの衣装もあれば、伝統的な刺繍は施されているもののズボンではなくミニスカートやロングスカート、短めのジャケットに長いチョッキと、現代的スタイルのものまでありました。

「生涯朽ちることのない実」を結ぶよう互いに励まし合い、祈り合って解散しました。ちなみに食事は奥さんたちに同行したご主人たちがキッチンワーカーとして奉仕し、美味しいものを作ってくれました。

皆様のお祈りによってすべての働きが進んできたことを心から感謝いたします。 (たまみ)

言葉が死ぬ日が来る(かもしれない)。今年三月のミェン族全体聖会で「今、何もしなければタイのミェン語は、あと八〇年で死滅する」と私は話しました。「八〇年」とは今十代後半の人々が約百歳になる時です。この世代の人々は親たちのミェン語を聞いて理解はできるけれど、親に答えるときはタイ語で返します。聞くことはできるけれど話せない、または話す気がない。つまりこの世代が親になった時、自分の子供たちにミェン語を教える知識がないのです。それであと八〇年すると、タイのミェン語は死滅し、ミェン教会も消滅する可能性があるのです。それは「今、何も対策を講じなければ」という条件付きです。これは世界に散在するミェン語のうち約三パーセントが死滅し、九十七パーセント(約百五十万人)のミェン族へミェン語聖書で福音を語る人がいなくなることを意味します。

タイ国用ミェン語共通文字普及に重荷を持つツァンメン兄

タイ国用ミェン語共通文字普及に重荷を持つツァンメン兄

このことを深刻に受け止めた人が動き始めました。ツァンメン兄です。ミェン教会協議会の議長を三期(一期三年)務めた人で、いつも広い視野でミェン族全体を心に留め祈って来た人。「クリスチャンもクリスチャンでない人も一種類のミェン文字を共有すべきだ。ノン・クリスチャンの有力者に話し会いを申し込み、聖書の印刷に使われたタイ文字借用のミェン文字が『キリスト教文字だ』と言って拒絶している彼らの誤解を解きたい。何とかしましょう。」

というわけで、ツァンメン兄は有力者に会う前の下準備としてタイ文字借用ミェン文字成立の経緯や原則を学び、機会を狙っています。私は大先輩ハーバート・パーネル師と連絡をとり、彼の『ミェン語―英語辞書』に基づいて『ミェン語―タイ語辞書』を作る準備です。

ミェン語の辞書は何種類かあります。著者別に見るとミェン族自身が作ったものが三種類、ミェン語を学んだ外国人が作ったものが少なくとも七種類。機能面から見ると見出し語がローマ字式ミェン語で、それを英語や中国語などの外国語で説明している「ミェン語―外国語辞書」が九種類。逆の「外国語―ミェン語辞書」は二種類です。

種類は多様であるものの、前述の「親のミェン語を聞いてタイ語で答える世代」のミェン族が使える辞書は一つもありません。そこで『ミェン語―タイ語辞書』、しかも見出し語をローマ字ではなくタイ文字借用ミェン文字で表記し、語意をタイ語で説明した辞書が必要です。この働きがツァンメン兄によるクリスチャンでないミェン族有力者たちとの交渉と並行して、少しずつでも前進することを祈っています。(達 朗)

【祈りの課題】
1.ミェン族婦人集会の新役員会に加わった若い人々のため。集会参加者たちが初期のビジョンを継承し、独身女性、母、妻として各地の教会に貢献できるよう祈ってください。
2.クリスチャンも、そうでない人々も共通して使用できるミェン文字がタイのミェン社会で認識されるようにお祈りください。

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