平和の福音をタイへ ー 坂本朋子

アジア人としてcalling_sakamoto_tomoko_1
私が信仰を持ったのは、アメリカの高校に一年間交換留学した時でした。牧師家庭で一年間お世話になり、ホストファミリーと教会の人々の愛を通してイエス・キリストに出会いました。一方で、後にアジア宣教に導かれるきっかけとなった出来事がありました。同じ高校にインドネシアからの留学生がいましたが、当時の私はアジアに関心がありませんでした。それどころか、アメリカ人学生に認められたくてもなかなか認めてもらえない欲求不満を、彼女を見下して優越感を持つことで解消しようとしていたのです。帰国後、日本が戦時中にアジア諸国を侵略し多くのアジア人を殺害し苦しめた事実を知りました。その時、あの留学生に対する私の罪と日本の犯した罪が重なり、私は泣きながら自分の罪と自分の国の罪を悔い改めました。そして「主よ、私をアジアの平和の架け橋として用いてください」と祈りました。その時はどのような働きに召されているのか全く分かりませんでしたが、あれから約十八年経ち、キリストにある真の平和を伝える者としてタイという場所に導かれたことを考えるときに、神様はあの時の私の祈りを聞いて下さっていたと確信するのです。

タイとの出会い
タイ宣教への道が明確になるまで、長い時間とプロセスを要しました。一九九四年、インドへのトランジットで初めてタイに降り立ち、その後二度旅行で訪れましたが毎回ハプニングがあり、ある人に「タイは鬼門」とまで言われました。そのためか自分がタイで宣教師になるとは想像もしませんでした。しかし数年後に一つの転機が訪れました。当時ワールド・ビジョンで働いていた私は、出張でタイに行きました。その際初めてタイの教会に行く機会が与えられ、これほど仏教の影響が強い国にもクリスチャンがいることに感動しました。その後しばらくして、将来どのように主に仕えていくべきかを真剣に祈った時期がありました。その時に心に浮かんだのがタイでした。御心を求めて再びタイを訪れた際に、礼拝メッセージを通してチャレンジを受けました。持っているものは少なくても、二匹の魚と五つのパンをイエス様に差し出した少年のように、自分の持っているものを喜んで差し出すなら、主ご自身が祝福して用いてくださる、と。二〇〇二年夏に仕事を辞め、まずは短期で奉仕してみようということでバンコクへ向かいました。教会の中で日本語を教えたり、バンコクの歓楽街で訪問伝道をしながら、約一年半滞在しました。

長期ビジョンへのステップ
日本を出てタイに飛び込んだことは、振り返れば大胆で思い切った決断でした。しかし、この経験が後の長期ビジョンにつながったことは間違いありません。それと同時にこの経験を通して自分の未熟さや弱さを知り、聖書に関する知識の足りなさと宣教に対する無知を痛感させられました。その後二〇〇五年から二〇〇七年までイギリスのオール・ネーションズ・クリスチャン・カレッジにて、世界中からやって来たクリスチャンと生活を共にしながら、calling_sakamoto_tomoko_2異文化宣教について学ぶ機会が与えられました。またこの時に多くのOMFの宣教師や横山先生ご夫妻との出会いもあり、OMFの働きについても知る機会となりました。

イギリスから帰国後、郷里である栃木県の母教会で伝道師として奉仕しました。このことを通して改めて自分の国、特に郷里での霊的な現状を知り、日本で働くという可能性も考えました。しかし十数年間消えることのなかったアジア宣教への思い、殊にタイへの思いを捨てきれず、昨年三月により明確な導きを求めてタイを訪問し、主にOMFタイの働きを視察しました。十日間の旅のハイライトは、タイ中央部のクリスチャン学生と一緒に、イサーンと呼ばれる東北地方へ宣教旅行に出かけたことでした。福音に触れたことのない人々に出会う中で、ローマ十・十四~十五のみことばが心に浮かびました。もし福音を聞くことがなかったら、この人々はどうやって永遠の命と救いを得ることができるだろうか‥。そう思うと心が揺さぶられました。さらに今回の訪問を通して、私の心の奥に眠っていたタイへの特別な愛が再び目覚めたような気がしました。

このように神様が道を開いてくださる中で、宣教は個人の業ではなく教会の業であるということを改めて教えられています。母教会である高根沢キリスト教会は、設立当初より将来宣教師を送り出すというビジョンを持っており、このタイ宣教のビジョンは教会のビジョンであると、先生方はもちろん信徒の皆さんも前向きに受け止め支援して下さっており、これも主の備えてくださったことと心から感謝しています。

国民の九十九パーセントがキリストにある真の平和を知らないタイで、この小さい者を平和の架け橋として主が使ってくださるようにお祈り下さい。「『権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって』と万軍の主は仰せられる。」ゼカリヤ四・六

Recent Posts
Contact Us

We're not around right now. But you can send us an email and we'll get back to you, asap.

Start typing and press Enter to search